術中出血の防止と止血の要点
胸筋温存乳房切除術
丹黒 章
1
,
長尾 妙子
,
本田 純子
,
岡崎 憲二
,
湯浅 康弘
,
山井 礼道
,
吉田 卓弘
,
武知 浩和
1徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体防御腫瘍医学講座病態制御外科
キーワード:
外科的止血
,
乳房腫瘍
,
リンパ節郭清
,
失血-外科
,
非定型的乳房切除
Keyword:
Breast Neoplasms
,
Hemostasis, Surgical
,
Lymph Node Excision
,
Mastectomy, Modified Radical
,
Blood Loss, Surgical
pp.1667-1671
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008117097
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乳房の栄養動脈の60%は鎖骨下動脈から分岐する内胸動脈、最上胸動脈、胸肩峰動脈で、30%は腋窩動脈から分枝し乳房外側から胸筋を貫通する外側胸動脈である。3~5肋間動脈外側貫通枝(10%)からも血流を得ており、これらは同名の静脈に還流する。これら血管の走行の他、乳腺組織とリンパ節群を包む筋膜層の解剖を十分理解していなければ無駄な術中出血をきたし、不十分な止血は術後出血の原因となる。縮小手術においても、術前画像診断により切除乳腺やセンチネルリンパ節と血管との関係を把握しておくことが肝要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007