膵頭十二指腸切除術(PD)をめぐる諸問題
亜全胃温存PDと幽門輪温存PDの比較・検討
信岡 隆幸
1
,
木村 康利
,
大野 敬祐
,
秋月 恵美
,
西舘 敏彦
,
今村 将史
,
水口 徹
,
平田 公一
1札幌医科大学 第一外科
キーワード:
ドレナージ
,
医学用イラストレーション
,
腫瘍侵入性
,
膵空腸吻合術
,
膵臓腫瘍
,
治療成績
,
胃大網動脈
,
胃十二指腸吻合術
,
幽門輪温存膵十二指腸切除
Keyword:
Drainage
,
Gastroenterostomy
,
Medical Illustration
,
Neoplasm Invasiveness
,
Pancreatic Neoplasms
,
Pancreaticojejunostomy
,
Treatment Outcome
,
Gastroepiploic Artery
pp.910-917
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007337349
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膵頭部の浸潤性膵管癌の外科治療にあたっては、臓器の可及的な温存、剥離面の確実な陰性化を図るために亜全胃温存膵頭十二指腸切除(SSPPD)の選択を原則としている。従来の広い胃切を伴う標準的PDに対し、SSPPDでは胃切離線は幽門輪より2~3cm口側に設定することで、確実な幽門周囲郭清と術後の経口摂取量の維持が可能と考えられるからである。術後経口摂取の状況、消化管ホルモン分泌反応などについては幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)と同等の結果であった。本来ならば前向き臨床研究による検証が必要と考えている。現時点では、膵頭部浸潤性膵管癌の外科治療として考慮すべき縮小術式の一つであると思われる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007