発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007038510
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症例は56歳の男性で、体重の増加と下腿浮腫の出現を契機に近医にて多量の腹水と肝硬変の診断により入院加療を受けた。その後、腹水は減少したが腹痛と臍部腫脹を認め、外科に紹介された。腹部単純X線所見では腹部全体に小腸ガスを認め、イレウスの所見であった。腹部CTにて臍部腹壁から大網の脱出を認め、ヘルニア嚢の最大径は4cmと診断された。臍ヘルニアの嵌頓であると診断し、還納整復を実施して外科に根治術目的で転科した。整復から3日後に根治術を施行した。Bard Mesh Perfix PlugのMサイズをヘルニア門に挿入した。手術時間は45分で、術後合併症もなく、第2病日に退院した。術後2年を経過したが、再発はなく外観上も問題はない。Bard Mesh Perfix Plugを用いた修復術は安全かつ有用な術式であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2006