発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006231515
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71歳女.20年前からインスリン非依存性糖尿病に罹患しており,約8ヵ月前に左乳房の違和感の出現を契機に超音波検査にて悪性腫瘍を疑い,マンモグラフィー,CT,腫瘍マーカーに悪性所見がなく経過観察していたところ,左乳腺腫瘤の増大傾向を認めるとのことから再度の精査を行い,乳癌とdiabetic mastopathyの鑑別が困難であり,糖尿病のコントロールを兼ねて入院とした.入院時には左C領域に5cm大,右C領域に3cm大の乳房腫瘤を認めた.マンモグラフィーはカテゴリー3と判断され,超音波では悪性を強く疑ったためにMRIを施行したところ,悪性を思わせる所見はなく,増大傾向と本人の希望によりopen biopsyを行ったところ,病理組織学的にdiabetic mastopathyであると診断した.本疾患は良性疾患であり経過観察でよいと考えられるが,癌との合併例もあり定期的検査が重要である
©Nankodo Co., Ltd., 2006