発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006231506
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甲状腺微小乳頭癌の多くは生涯無害に経過する一方で,原発巣が微小でありながら巨大なリンパ節転移や遠隔転移のために不幸な転帰をたどる症例も存在する.超音波検査の多用により無症候性の微小癌が発見されるケースが増えており,その対処方についてのエビデンスは十分ではない.当科においては1995年以降,無症候性微小癌患者に対しinformed decisionに基づき非手術経過観察を行うようになった.これまで経過中に明らかな腺外浸潤や遠隔転移を生じた症例はなく,1年以上経過観察(平均4.3年)した156病巣中,腫瘍が明らかに増大したのは10病巣(6%)のみであった
©Nankodo Co., Ltd., 2006