発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006203162
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77歳男.上腹部痛,嘔吐を主訴とした.既往には38年前の胃切除術があった.経鼻胃管を挿入すると大量の排液があり,臍やや頭側の左上腹部には手掌大の腫瘤性病変が触知され,腹部超音波検査,腹部造影検査で近位空腸が逆行性に重積している像を確認した.腸重積症を疑い,緊急開腹術を行った.前回の術創に沿って開腹したところ,幽門側胃切除術,結腸前式Billroth II法再建,Brown吻合を認め,この20cm肛門側の輸出脚空腸に逆行性の腸重積が発生していた.重積を含む空腸の部分切除術端々吻合を行った.術後は良好に経過した.この症例のように晩期発生の腸重積症もあるため,診察に当たっては,術後腸重積症も念頭に置くべきだと思われた
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