発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015042059
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72歳女。治療前のCT検査で腫瘍による気管の圧排を認めたことから気管浸潤の可能性を疑い、原発巣を縮小するために術前化学療法を施行し、部分寛解を得て胸腔鏡下食道切除術を行った。その際、気管・気管支周囲の組織に化学療法の影響と思われる強固な癒着を認め、特に気管は食道との剥離に難渋し、気管膜様部を損傷してしまった。気管損傷の修復には「閉鎖修復」と「修復部位への組織充填による補強」が必要であり、本例では閉鎖修復の方法として縫合による単純閉鎖を行い、修復部位への充填組織として胃管を用いた。結果、術後に通過障害や呼吸器合併症は認めず、気管支鏡検査では粘膜が良好に上皮化していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014