発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005116547
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転移性肝癌の化学療法について肝動注化学療法と全身化学療法を比較しながら大腸癌と胃癌を中心として述べた.大腸肝転移は局所的な性格を有し肝切除が積極的に行われるようになったが切除不能例も多く,全身および局所の化学療法が適応となる.肝動注は奏効率が高いが生存期間延長への効果は確認されていない.肝外病変の悪化が予後を決めることが多い事実より,適切な全身療法との併用が必要である.胃癌肝転移は肝切除の適応となることは少なく,化学療法の適応となることが多い.同様に肝動注の奏効率はよいが,肝外病変の悪化で失うことが多く全身療法の併用が必要である.すなわち,転移性肝癌では局所および全身の化学療法を適宜組み合せながら治療することが望ましい思われる
©Nankodo Co., Ltd., 2005