発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005102627
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35歳女.17歳時より1型糖尿病でインスリン治療を受けており,今回,左乳腺腫瘤を主訴に受診した.左乳房4時方向,乳頭-腫瘍間距離0.5cmのところに約4.5×4.7cm大で弾性硬,境界不明瞭,辺縁不整,dimpling陰性の腫瘤を触知した.マンモグラフィ所見は全体的にdense glandであり,明らかな腫瘤,スピクラ,微細石灰化像は認められなかった.超音波検査では左乳房の硬結部に一致して低エコー領域を認めた.これらの所見から乳癌やdiabetic mastopathy(DM)などを鑑別に挙げ針生検を施行した.その結果,間質に高度な線維化,血管周囲にリンパ球浸潤像を認め,悪性所見は認めなかったことからDMと診断した.経過観察とし,6ヵ月後に再度針生検を行ったところ同様の所見であった.初診から1年2ヵ月の現在,腫瘤の増大など症状の悪化は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2005