発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005074442
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食道癌患者はリスクを有する症例が多く,手術侵襲も多大である.呼吸器合併症の中でも術後肺炎の頻度は高く,不幸な転帰をたどることも少なくない.原因菌は緑膿菌,MRSAが多いとされている.術後肺炎のリスクファクターは多岐にわたる.食道手術に特有のリスクとして,術前化学放射線治療,手術侵襲に伴う免疫抑制状態,気道周囲リンパ節郭清があげられる.対策として術前からの呼吸トレーニング,輸血に伴う免疫能低下防止のための自己血貯血,術前immunonutrition,周術期口腔ケア,リスクに応じた手術手技選択による侵襲コントロール,術後抗生物質投与の工夫,術後呼吸リハビリテーション,術早期からの経腸栄養,交叉感染・接触感染の予防を行っている.術後肺炎の予防のためには,綿密な周術期管理,リスクと手術侵襲のバランスのとれた手術術式の選択が重要である
©Nankodo Co., Ltd., 2005