口腔ケアがもたらす実務利益 患者における利益 全身管理(感染症予防)の側面から

はじめに

　多くの全身疾患において局所の感染病巣の存在が全身感染症のリスク因子となることが知られており，口腔管理の重要性が明らかになってきた。口腔細菌の温床となるプラークは，う蝕や歯周病の直接的なリスク因子であると同時に，誤嚥性肺炎や感染性心内膜炎など全身感染症の原因菌のリザーバーになることがある。本稿では，口腔細菌と全身疾患・感染症との関連の観点から口腔ケアの重要性を検討した。