発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005034233
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
63歳女.約5年前に胆石症の診断で他院にて腹腔鏡下胆摘術を受けた.術後より徐々に灰部痛が出現し,痛みが増強したため受診した.検査所見では胆道酵素の軽度上昇を認めた.内視鏡的逆行性胆管造影では総胆管の拡張を認め,前区域枝が全く造影されなかった.胆管狭窄を疑い,経皮経肝胆管ドレナージにより狭窄部の拡張を行った.前区域枝の閉塞部近くに金属クリップ2本が横断するように存在し,約2cm狭窄していた.前回手術時のクリップによる前区域枝の閉塞と診断した.クリップを摘出し,閉塞部位を切除した.術後経過は良好で,1年経過現在,無症状である.本症例では最終的に7本のクリップが確認され,そのため,画像精度が悪く,詳細な術前診断が困難であった.できるだけ金属クリップの使用は避けるべきであると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2004