発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005013144
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他臓器浸潤食道癌は合併切除可能な肺や心嚢の一部を除き癌が遺残し,姑息切除となることが多い.姑息切除の予後は不良である.気管気管支や大動脈に浸潤が疑われる症例では,一般的にはまず化学放射線療法が行われる.腫瘍の縮小がみられた症例に対して手術が行われることがある.われわれの検討では,化学放射線療法奏効例では手術の有無は予後に差を認めなかった.逆にNCと診断された症例の中で病理学的には有効であり,手術が有用であった症例も認められた.他臓器浸潤食道癌症例の治療にあたっては,画一的な方針でなくそれぞれの症例ごと,詳細な検討と患者への十分な説明のもとに決定すべきである
©Nankodo Co., Ltd., 2004