進行癌の治療戦略
他臓器浸潤食道癌の治療戦略
矢野 雅彦
1
,
本告 正明
,
田中 晃司
,
岸 健太郎
,
宮代 勲
,
真貝 竜史
,
後藤 邦仁
,
高橋 秀典
,
能浦 真吾
,
山田 晃正
,
大植 雅之
,
大東 弘明
,
石川 治
1大阪府立成人病センター 消化器外科
キーワード:
Cisplatin
,
Fluorouracil
,
腫瘍多剤併用療法
,
腫瘍侵入性
,
食道腫瘍
,
生存分析
,
治療成績
,
放射線化学療法
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Cisplatin
,
Fluorouracil
,
Esophageal Neoplasms
,
Neoplasm Invasiveness
,
Survival Analysis
,
Treatment Outcome
,
Chemoradiotherapy
pp.691-696
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010250154
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縦隔気管や気管支、大動脈へ浸潤するT4食道癌に対しては外科手術単独での根治はきわめて困難であり、根治をめざすのであれば化学放射線療法(CRT)が第一選択となる。現在行われているfluorouracil/cisplatinをベースにした根治的CRTでは、30%程度のCR率と20~30%程度の2年または3年生存率が得られる。今後さらに成績を向上させるにはCRTの治療効果のいっそうの向上に加えて、CRTのみではpath CRにいたらず、癌が遺残する症例に対していかに外科手術をうまく組み合わせていくかが重要である。そのためには、精度の高い組織学的効果判定法や抗癌薬、放射線治療の効果予測法の開発が急務である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010