発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004301627
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71歳女.主訴は腹痛.既往として後腹膜膿瘍で回盲部切除施行歴があった.腹部X線像では小腸にニボー像を認めた.イレウス管を挿入し保存的治療でいったん改善したが,腹痛増強,炎症反応が増悪したため,絞扼性腸閉塞の疑いで手術を行った.横行結腸間膜から右骨盤腔の前回手術剥離部のあいだに索状物を認めた.これを軸に小腸がはいりこんで腸間膜が屈曲し,大部分の小腸が壊死していた.小腸の口側を60cm,肛側を10cmの残して切除し,空腸と横行結腸に端側吻合を行った.残存小腸は空腸で実質長は60cmとなった.術後は敗血症,播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併したが,人工呼吸管理・エンドトキシン吸着などの治療にて改善した.術後28目よりグルタミンを併用した経腸栄養(消化態)を低濃度から開始し,55日目より食事摂取が可能となり,80日目に中心静脈栄養(TPN)より離脱し,154日目に退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2004