報告
クローン病術後の短腸症候群に対する長期在宅静脈栄養によりセレン欠乏症を認めた一例
斎藤 健一郎
1
,
前田 亜矢
,
堀田 栄治
,
竹林 尚恵
,
宗本 義則
1福井県済生会病院 外科
キーワード:
Crohn病
,
Selenium
,
欠乏性疾患
,
再手術
,
短腸症候群
,
貧血-大球性
,
在宅静脈栄養
,
小腸切除
,
横行結腸
,
有痛性筋れん縮
,
大腸切除
,
回盲部
Keyword:
Proctocolectomy, Restorative
,
Parenteral Nutrition, Home
,
Deficiency Diseases
,
Crohn Disease
,
Anemia, Macrocytic
,
Muscle Cramp
,
Short Bowel Syndrome
,
Reoperation
,
Selenium
,
Colon, Transverse
pp.261-264
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.32118/J01532.2023297623
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症例は43歳,女性.1995年(26歳時)に他院でクローン病と診断され,狭窄と消化管穿孔による2回の手術で回腸から横行結腸までの切除を施行され,2007年に残存小腸が160cmで短腸症候群となっていた.2009年より在宅静脈栄養で通院加療し,経過で大球性貧血の進行を認めていた.2011年7月にCVポート感染と肺炎の診断で入院となった.入院前の2011年4月の時点で血清セレン値は0.1μg/dL未満と低下を認めており,大球性貧血,腓腹筋痙攣の症状があり,入院後より院内製剤にてセレン300μg/日の投与を開始した.腓腹筋痙攣は消失し,大球性貧血も次第に改善した.同年12月より在宅静脈栄養を再開し,通院でセレン投与を継続した.2019年2月にアセレンドに切り替え,現在も投与を継続している.
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