発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004197371
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74歳女.貧血,腹痛を主訴とした.小腸造影検査にて回腸末端に陰影欠損が認められ,小腸腫瘤或いは小腸潰瘍性病変を疑い手術を施行した.手術所見よりCrohn病が疑われたため,小腸間膜対側に切開を加え内腔を観察したところ,腸間膜付着側に縦走潰瘍を認めた.病変部小腸を切除し,腸間膜対側での機能的端々吻合を施行した.摘出標本所見では腸間膜付着側に縦走潰瘍を認め,その周囲の一部では敷石状を呈する粘膜を認めた.病理組織所見では潰瘍は粘膜下層まで達し,全層性にリンパ球の集簇巣を散在性に認め,Crohn病が最も考えられた.術後経過は概ね良好で退院し,食事療法ならびに5-aminosalicylic acidを投与しつつ経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2004