肝移植-現状と展望
肝細胞癌に対する肝移植
小川 晃平
1
,
海道 利実
,
上本 伸二
1京都大学 肝胆膵・移植外科
キーワード:
肝炎-ウイルス性-ヒト
,
肝細胞癌
,
肝臓移植
,
腫瘍再発
,
評価基準
,
再感染
Keyword:
Hepatitis, Viral, Human
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Liver Transplantation
pp.1263-1269
発行日 2013年7月20日
Published Date 2013/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013319990
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肝細胞癌に対する肝移植は,癌のみならず,背景肝の障害も同時に治療できる理想的な治療法である.しかし周術期合併症や死亡率が高く,癌再発の際は予後不良であることより,その移植適応基準が非常に重要である.Milan基準(3cm以下3個以内,または5cm以下単発)を超えた拡大基準が国内外で提唱されているなか,京都大学では腫瘍の悪性度を示すPIVKA-IIを適応に加えたKyoto基準(5cm以下かつ10個以内かつPIVKA-II 400mAU/ml以下)を移植適応とし,良好な成績を得ている.現在,他治療が可能なら第二選択以降となっている肝移植も,今後脳死肝移植が増えてくれば,その位置づけも変わるであろう.
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