発行日 2002年12月1日
Published Date 2002/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003141056
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開腹手術を行った炎症性腸疾患(IBD)患者85名を対象に,術後創感染率,術前因子,手術因子,予防的抗菌薬の選択について検討し,術後創感染の予防法と対策を紹介した.なお対照は,同等の下腹部切開または腹腔鏡下手術を行った大腸癌と大腸憩室炎患者43名とした.術後創感染率はIBD患者が対照群より有意に高く,腹腔鏡下手術ではCrohn病でのみ感染率の低下を認めた.また,抗菌薬感受性に基づいて予防的抗菌薬を投与したが,あまり効果は無かった.これらの検討結果より,IBD患者の術創は既に感染が確立した状態であると判断し,閉創時に皮下ドレーン留置を行うことをルーチンとした.その結果,創傷治癒は感染の無い一般手術と同等となった
©Nankodo Co., Ltd., 2002