発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003005151
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
胆管狭窄部の全周性生検を目的とした生検カップ(マイティバイト)の使用経験を報告した.これまで5例に用い胆管狭窄部の生検を施行した.内視鏡の鉗子口から乳頭部へのマイティバイト本体の挿入は容易であった.併用できるガイドワイヤーは細いが透視下で確認することができた.1例は乳頭部癌で胆管下部の狭窄をきたしていた症例で,乳頭粘膜の通常の生検により癌と診断されたが,術前マイティバイトによる生検では癌細胞は認められず,術後病理標本においても胆管粘膜への浸潤は認めなかった.このように乳頭部癌や膵頭部癌では,マイティバイトを用い胆管狭窄部を生検することにより,原発巣の深達度や胆管内腔への浸潤をある程度予測できる可能性があると思われた.生検において施行中,出血.穿孔等の合併症を認めた症例はなく,施行後も胆管炎,膵炎等の合併症は1例もなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2002