発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004272422
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胆管狭窄における全周性生検を目的として開発されたマイティバイト生検カップを胆管膵管腫瘍生検目的で使用した2症例を呈示し,本法の有用性と問題点について検討した.症例1は60歳男性の肝癌胆管内腫瘍例で,高度の肝硬変を呈していたが,乳頭切開なしで生検カップの挿入が問題なく施行できた.症例2は65歳女性の粘液産生性膵管内乳頭腫瘍例で,ガイドワイヤーを用いることにより膵体尾部からの生検も可能であった.施行中出血,穿孔等の合併症もなく,施行後も胆管炎,膵炎等の合併症は認めていない.課題としては,生検することができる組織量が少ないこと,狭窄が軽度の場合,生検しても組織が採取されない可能性があることであった.今後,器具の開発,改良が進めば,適応範囲も広がると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004