発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002278340
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65歳女.肛門出血で,受診した.直腸脱を認め,手術目的で入院した.術後直腸脱は消失し,術後12病日に退院したが,その後も少量の下血が続いた.術後4ヵ月後に行った大腸内視鏡検査で,肛門より約10cmの直腸に,表面に白苔と発赤を伴う不整な隆起性病変を認めた.病理組織学的所見により粘膜固有層に線維成分と平滑筋細胞の増生からなる線維筋症を認め,直腸粘膜脱症候群(MPS)と診断した.排便時に息む習慣があり,排便時間も長いことがわかった.緩下剤を投与し排便習慣の改善を指導した.MPSと診断後も少量の下血は約2年間続いたが,その後消失し3年9ヵ月を経過した現在もとくに症状はない
©Nankodo Co., Ltd., 2002