胸部大動脈に対するステントグラフト治療up-to-date
左鎖骨下動脈起始部を単純閉鎖した胸部ステントグラフト内挿術後の左上肢運動機能評価
大西 遼
1
,
片岡 信宏
,
中嶋 智美
,
倉持 雅己
,
篠永 真弓
,
倉岡 節夫
1水戸済生会総合病院 心臓血管外科
キーワード:
血圧
,
鎖骨下動脈
,
上肢
,
握力
,
大動脈瘤-胸部
,
ステントグラフト内挿術
,
運動機能検査
Keyword:
Blood Pressure
,
Subclavian Artery
,
Aortic Aneurysm, Thoracic
,
Hand Strength
,
Upper Extremity
pp.257-260
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017233267
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遠位弓部大動脈真性瘤に対して胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR)を施行した29例を対象とし、左鎖骨下動脈を単純閉鎖してzone 2からTEVARを施行した18例(男性16名、女性2名、平均年齢73.9±2.5歳)をA群、右腋窩動脈-左総頸動脈-左腋窩動脈を人工血管で血行再建後、zone 0から2-debranching TEVARを施行した11例(男性9名、女性2名、平均75.4±1.5歳)をB群とした。手術は全例で成功し、退院した。遠隔死亡の2例を除き大きな合併症を発生した症例はなく生存中であった。上肢収縮期血圧は、血行再建を施行していないA群で有意に低下した。両群の最大握力は、利き手の右が高い傾向があった。最大握力の60%握力維持時間は両群ともに左右に有意差を認めなかった。上腕周囲長は、A群とB群では右側上腕周囲長に有意差を認めず、左側も有意差は認めなかった。前腕周囲長も上腕周囲長と同様に有意差を認めなかった。左鎖骨下動脈を閉塞することによる左側上肢の運動機能悪化は認めなかった。血行再建を行うことによる左上肢運動機能の回復は認めなかった。
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