発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016019428
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79歳男。主訴は貧血・食欲不振であった。2年8ヵ月前に右胃大網動脈(RGEA)使用冠状動脈バイパス術(CABG)の既往があった。血液検査で腫瘍マーカーはCEA 13.7ng/ml、CA19-9 32.2U/ml、AFP 1.6ng/mlであった。上部消化管内視鏡検査では胃体下部から前庭部の大彎を主座とする30×60mm大の2型腫瘍を認め、腹部造影CTではNO.3・4d・5・6のリンパ節転移が疑われた。冠状動脈造影CTではRGEAグラフトの開通性は良好で、右冠状動脈近位は石灰化が著明で閉塞していた。経皮的冠状動脈形成術にて再開通完遂後、横隔膜へ流入する位置でRGEAグラフトを切離し、幽門側胃切除+D2郭清およびRoux-Y再建術を行った。術後総合所見はT4a、N3b、H0、P0、CY0、M0、Stage IIIC、LN meta、16/22であった。術後20日目に退院し、外来で補助化学療法中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2015