発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017135900
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42歳男。胸部異常陰影を主訴とした。5年前より右肺炎を数回繰り返しており、肺葉内肺分画症の疑いで紹介受診した。画像所見では右肺S9とS10間の気腫化領域と液体貯留を伴う最大径3.8cmの多房性嚢胞がみられ、気腫化領域に気管支を伴わないA9の分枝と右下横隔動脈から分岐した異常血管の流入を認めたが、肺静脈に異常はなかった。また、肺換気血流シンチグラムでは気腫化領域の集積にミスマッチはなく、先天性気管支閉鎖症の可能性を考慮して右底区域切除を行い、肺底部と横隔膜間の炎症性癒着の中を走行する細かな異常血管を認めたことから先天性気管支閉鎖症と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2017