発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008300312
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71歳女。咳嗽を主訴とした。30年間で二度、少量の血痰があったがいずれも1日で止血していたため放置していた。気管支炎として治療を受けていたが症状は持続した。胸部CTで左肺下葉の容積減少と肺門部血管影の肥大を認め、胸部下行大動脈から分岐する直径1cmの異常動脈が左肺底区に流入する所見を認めた。また、血管造影では下行大動脈から分岐する異常動脈が肺底区を灌流し、左下葉の正常肺動脈はA6のみであったことから、左下葉の肺葉内肺分画症と診断した。異常動脈、A6、下肺静脈と下葉気管支をそれぞれ切離して左下葉を切除し、術後経過は良好で第9病日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008