発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009042221
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15歳男。生下時より感冒時に喘鳴を認め、気管支肺炎の診断で入退院を繰り返していた。中学生時には嚥下時違和感を自覚し、高校進学後は運動時の強い呼吸困難と過換気症状を呈し、嚥下困難の増悪を認めた。精査のため呼吸器内科を受診し、呼吸機能所見で1秒率の低下、閉塞性障害を認めた。食道造影で左右後方に外部からの圧迫による強い狭窄像を認め、胸部MRIでは上行大動脈が左右の大動脈弓に分岐し、気管・食道をリング状に取り囲んでおり、重複大動脈弓と診断した。大動脈弓は右が径16mm、左が14mmであった。開胸術を施行し、左大動脈弓を左鎖骨下動脈分岐部末梢、動脈管索末梢で遮断した後、離断して両断端を連続二重縫合で閉鎖した。離断後も換気障害が残存したため、さらに動脈管索を切離した。術後4日に退院し、労作時呼吸困難、嚥下障害は改善し、1ヵ月後の呼吸機能検査で1秒率の改善を確認した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008