発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017209372
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68歳男。呼吸困難感、発熱を主訴とした。アスベスト曝露歴があり、主訴にて近医を受診し、胸部X線像で右胸水貯留と右胸腔の腫瘤陰影を指摘された。紹介受診時の胸部CTでは右胸水貯留と右気胸が描出され、肺底部の胸膜に接する部位に周囲に浸潤影を伴う腫瘤形成を認めた。肺底部の腫瘤性病変の生検では管状構造を示す低分化腫瘍細胞のシート状増殖を認め、免疫染色にて高分子サイトケラチン、CK-19、D2-40、WT-1、カルレチニン陽性、CEA陰性であり、悪性中皮腫、上皮型と診断した。悪性腫瘍に合併した気胸に対して胸膜癒着術、気管支充填術、胸腔鏡下手術を行うも気漏が持続したため、胸腔内フィブリン糊注入療法を行ったところ、気漏は消失し気胸の再発は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2017