臨床と研究
脳死ドナー肺摘出時の諸問題とそれに対する多臓器摘出シミュレーションの有用性
新井川 弘道
1
,
岡田 克典
,
野田 雅史
,
渡邉 龍秋
,
野津田 泰嗣
,
松田 安史
,
桜田 晃
,
星川 康
,
遠藤 千顕
,
安達 理
,
宮城 重人
,
近藤 丘
1東北大学加齢医学研究所 呼吸器外科学分野
キーワード:
脳死
,
肺移植
,
ブタ
,
医学生涯教育
,
現職教育
,
教育自己評価
,
臓器と組織の採取
,
動物モデル
,
実技演習
Keyword:
Brain Death
,
Education, Medical, Continuing
,
Inservice Training
,
Self-Evaluation Programs
,
Lung Transplantation
,
Models, Animal
,
Tissue and Organ Harvesting
,
Sus scrofa
pp.725-730
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015395164
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脳死ドナーからの肺摘出手術47例を対象に、担当医師からのアンケート方式で摘出手術時の問題点を調査し、更にブタを用いた多臓器摘出シミュレーションの有用性についても調査した。その結果、実際に経験した問題点は"手技に関わる問題"が圧倒的に多く、特に肺動脈へのカニュレーションや肺保存液で灌流を行う際に生じる不具合が多かった。次いで多くの回答があったのは"最終評価での臓器評価の難しさ"であり、"他チームとのコミュニケーションの問題"、"心臓切離線の問題(良好な心臓切離線が得られない、或いは困難であった)"、が続いた。一方、ブタを用いた多臓器摘出シミュレーションについては、「実践的な手技・知識を習得するのに大変有効である」、「モニター映像により参加者すべてが術野での情報を容易に共有できる」、「他チームと十分に論議できる時間と環境があり、コミュニケーション、トレーニングの場として有用である」の回答が多かった。
©Nankodo Co., Ltd., 2015