発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015395165
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77歳男。全身倦怠感を主訴とした。約6年前のCTで前縦隔に8cm大の脂肪濃度の腫瘍を認めていた。5年前時点で腫瘍に変化はなく経過観察とし、食道癌に対する胸部食道全摘出と胃管再建術を優先させた。1年前のCTで腫瘍内に4cm大の筋肉濃度の領域が出現し、翌年には同領域が25cm大に増大し、頭側縁と尾側縁に脂肪濃度を認め、縦隔側は脂肪腫と連続していた。縦隔原発高分化型脂肪肉腫から発生した脱分化型脂肪肉腫と診断し、開胸下腫瘍摘出術を施行した。術後、手術創感染から縦隔炎を併発し、食道癌手術で後縦隔経路胃管再建を行っており、大網を使用できないため胸骨開放術を施行した。胸骨開放管理を継続し縦隔炎は完治し、創は自然閉鎖した。胸骨開放術後67日に独歩退院し、術後9ヵ月の現在まで再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015