腹部良性疾患に対する外科治療の最前線
膵胆管合流異常
水口 義昭
1
,
中村 慶春
,
内田 英二
1日本医科大学 消化器外科
キーワード:
空腸
,
総肝管
,
総胆管造瘻術
,
嚢胞
,
腹腔鏡法
,
ブタ
,
医学生涯教育
,
動物モデル
,
膵胆管合流異常
,
胆道拡張症
,
肝管空腸吻合術
,
胆道再建術
Keyword:
Choledochostomy
,
Cysts
,
Education, Medical, Continuing
,
Jejunum
,
Hepatic Duct, Common
,
Laparoscopy
,
Models, Animal
,
Sus scrofa
pp.54-59
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016089692
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膵胆管合流異常症は胆汁と膵液が双方へ逆流することでさまざまな病態を引き起こす疾患で,胆管の拡張を伴う先天性胆道拡張症と伴わない非拡張型に分類される.成人例で先天性胆道拡張症の21.6%,非拡張型の42.4%と高率に胆道癌を合併するため,診断されれば予防的外科手術が必要であり,それぞれ嚢腫切除術+分流手術,胆嚢摘出術を施行する.膵胆管合流異常症に高頻度で合併する先天性胆道拡張症は若年女性に多いという疾患特性がある.そのため同疾患に対する手術はより低侵襲で,整容面に優れた鏡視下手術が今後発展すると考えられる.しかし,胆管消化管吻合術など難易度の高い手技も含まれるため,臨床前の十分なトレーニングが必要である.また,術後の癌発症の可能性も否定できないため,長期にわたる経過観察が必要である.
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