低侵襲心臓・大血管手術
ステントグラフト内挿術後の遠隔期グラフト感染に対する治療
加納 正志
1
,
藤本 鋭貴
,
割石 精一郎
,
筑後 文雄
1徳島県立中央病院 心臓血管外科
キーワード:
腋窩動脈
,
ステント
,
大腿動脈
,
網
,
治療成績
,
補綴関連感染症
,
体内埋込み具の除去
,
大動脈置換術
,
ステントグラフト内挿術
,
腋窩動脈大腿動脈バイパス術
Keyword:
Axillary Artery
,
Femoral Artery
,
Omentum
,
Stents
,
Treatment Outcome
,
Prosthesis-Related Infections
,
Device Removal
,
Axillofemoral Bypass Grafting
pp.55-59
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015137418
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ステンドグラフト内挿術は手術侵襲が少ないという利点を有する反面、術後感染を生じた場合はきわめて深刻な問題となる。今回、ステンドグラフト内挿術後の術後晩期感染例について報告した。対象は、胸部およびステンドグラフト内挿術(TEVARおよびEVAR)後にステンドグラフト感染と診断された8例(男性7例、女性1例、平均66歳)とした。8例中5例に手術を行い、全例でステンドグラフトを除去し、in situで再建した。再建方法はTEVAR例ではin situで行い、EVAR例では非解剖学的バイパスを行った。その結果、5例中2例は手術死亡で、残りの3例は軽快退院した。生存例の術後平均観察期は28ヵ月であった。手術を行わなかった3例には抗生物質による治療を行ったが、1例は呼吸気合併症にて死亡、もう1例は腎不全からの多臓器不全にて死亡し、残りの1例は抗生物質による治療を継続中である。
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