臨床経験
BMP-2の発現を認めた骨形成を伴う原発性肺腺癌
青木 裕之
1
,
永瀬 厚
,
藤内 智
,
本望 聡
,
渡邊 一教
,
前田 敦
1国立病院機構旭川医療センター 外科
キーワード:
化骨-異所性
,
リンパ行性転移
,
腺癌
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
骨形成因子-2
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Lung Neoplasms
,
Lymphatic Metastasis
,
Ossification, Heterotopic
,
Pneumonectomy
,
Bone Morphogenetic Protein 2
pp.1159-1161
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015122719
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
69歳女性。動悸を主訴に近医を受診、胸部X線像にて左下肺野に腫瘤影が指摘され、著者らの呼吸器内科へ紹介となった。入院時、CEAの高値ほか、胸部CTでは左肺S10に34×32mmの充実性な腫瘤影が認められた。また、内部には多発した微小石灰化を思わせる高吸収域が散在していた。気管支鏡検査では確定診断に至らなかったが、他部位に異常がないにも関わらずCEAが高値であることから原発性肺癌を疑い、手術の施行となった。その結果、術中迅速病理にて肺腺癌と診断され、左肺下葉切除とリンパ節郭清が行われた。切除標本の病理所見では腫瘍は4×3×3cm大の中分化型乳頭状腺癌であり、I群リンパ節に腫瘍が転移していたが、そちらには骨組織を認めず、病理病期はpT2aN1M1aPL0D0PM0E1(+)、IV期であった。尚、術後は順調に経過し、目下、7年以上経過で無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2014