臨床と研究
自動縫合器による肺実質切離後の残存肺の変化
村上 順一
1
,
上田 和弘
,
佐野 史歩
,
林 雅太郎
,
濱野 公一
1山口大学 器官病態外科
キーワード:
外科用ステープラー
,
術後期
,
臓器サイズ
,
肺切除
Keyword:
Organ Size
,
Postoperative Period
,
Pneumonectomy
,
Surgical Staplers
pp.867-872
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015000763
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4ヵ月齢のブタを使用し自動縫合器を用いて肺実質の切除を行った。切除直後の2頭と2ヵ月後の2頭の計4頭における左肺の断端近位部および遠位部、右肺の計3部位について、HE染色標本画像を各15枚ずつ・合計180枚作成し、肺胞密度、肺胞隔壁間距離および肺胞隔壁厚を計測した。その結果、切除直後はステープルにより切除断端部が圧挫されていたが、2ヵ月後に残存肺の肺胞は十分に拡張し、形態的に正常化していた。また、切除直後では左肺の切除断端近位部は遠位部に比べ有意に肺胞密度が高く、肺胞隔壁間距離が短く、肺胞隔壁厚が厚くなっていた。しかし、2ヵ月後では左肺の切除断端近位部および遠位部、右肺の間で肺胞密度、肺胞隔壁間距離および肺胞隔壁厚のいずれにも有意差はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014