手術の工夫
大動脈弓離断術後上行大動脈狭窄に対する自家肺動脈パッチによる拡大形成術
山田 和紀
1
,
内田 直里
,
古川 智邦
,
境 次郎
,
片山 秀幸
,
望月 高明
1土谷総合病院 心臓血管外科
キーワード:
再手術
,
術後合併症
,
心膜
,
大動脈縮窄症
,
肺動脈
,
血管形成術
,
三次元イメージング
,
大動脈弓離断症
,
マルチスライスCT
,
心膜パッチ
Keyword:
Aortic Coarctation
,
Pericardium
,
Postoperative Complications
,
Pulmonary Artery
,
Reoperation
,
Angioplasty
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Multidetector Computed Tomography
pp.800-804
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014298151
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13ヵ月女。大動脈圧較差を主訴とした。生後間もなく大動脈弓離断(Celoria-Patton B型、膜性部周辺型心室中隔欠損)と診断され、生後14日に一期的修復術が行われたが、術後の心エコーでは上行大動脈狭窄を認め、術後9ヵ月のカテーテル検査では左室-大動脈基部間に15mmHg、大動脈基部-下行大動脈間に72mmHgの圧較差を認めた。カテーテル的治療は困難と判断して外科的手術を選択し、上行大動脈の半周以上がパッチとなることから主肺動脈壁から採取したパッチを用いて大動脈形成を行い、主肺動脈は自家心膜パッチで修復した。術後のCTでは上行大動脈の狭窄は十分に解除されており、術後19ヵ月で大動脈狭窄の再発や瘤化などの拡張も認めなかった。パッチを用いた大動脈再建においては、自家肺動脈パッチも選択肢のひとつになり得ると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014