発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006210162
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
13歳男.出生後に動脈管開存,大動脈縮窄と診断され,動脈管離断後にknitted Dacronグラフトを用いたパッチ血管形成を施行された.その後異常はなかったが,9歳8ヵ月時より胸部X線像で左第1弓の突出を認め,徐々に突出傾向は強まり,CTでも仮性動脈瘤を発見され手術目的で入院となった.MRIでパッチ血管形成部位に一致する遠位弓部から下行大動脈中枢側にかけて,左外側に突出する3cm大,嚢状の大動脈瘤を認めた.開胸術を施行し,超低体温循環停止下に瘤の末梢で大動脈を遮断した.左鎖骨下動脈遠位で大動脈を離断し,断端はTeflonフェルトで補強して,大動脈非遮断中枢側吻合法により16mm直管のHemashield人工血管を5-0モノフィラメントポリプロピレン糸連続縫合の端々吻合で中枢側吻合を行った.大動脈切開による観察で,動脈瘤は人工血管パッチ末梢側での縫合線の破綻による仮性動脈瘤であり,下行大動脈も離断して同様に末梢側吻合を行った.術後経過良好で,2年経過し問題はない
©Nankodo Co., Ltd., 2006