臨床と研究
交通事故による外傷性肋骨骨折
奥谷 大介
1
,
森山 重治
,
大塚 智昭
,
二萬 英斗
,
賀島 肇
,
黒田 雅利
,
吉富 誠二
,
山野 寿久
,
高木 章司
,
池田 英二
,
平井 隆二
,
辻 尚志
1国立病院機構岡山医療センター 呼吸器外科
キーワード:
血胸
,
交通事故
,
自動車
,
死亡率
,
肺疾患
,
肋骨骨折
,
鈍傷
,
オートバイ
,
自転車
,
骨折-多発性
Keyword:
Accidents, Traffic
,
Fractures, Multiple
,
Automobiles
,
Hemothorax
,
Lung Diseases
,
Mortality
,
Motorcycles
,
Rib Fractures
,
Wounds, Nonpenetrating
pp.362-365
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014195250
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交通事故による肋骨骨折66例(男45例、女21例、平均55.6歳)について報告した。受傷機転は自動車30例、自動二輪車15例、歩行9例、自転車8例、詳細不明4例で、歩行例はいずれも自動車との衝突であった。多発肋骨骨折は50例で、7本以上の症例には合併損傷も認めた。合併損傷は血胸または血気胸、肺挫傷の順に多く、歩行例では頭部外傷、自動車例では椎体骨折、自動二輪車・自転車例は骨盤骨折などが多かった。治療は経過観察のみ47例、胸腔ドレナージ15例、内固定2例、観血的処置2例で、観血的処置はそれぞれ肋間動脈損傷に対する動脈塞栓術、横隔膜損傷に対する開胸止血術であった。死亡は8例で、骨盤骨折による出血4例、腹腔内出血2例、心タンポナーデ、肺炎各1例であった。他の58例のうち入院を要した46例は肋骨骨折本数が平均4.4本、胸部合併損傷は76.1%、胸部以外は58.7%、外来通院ではそれぞれ1.4本、25.0%、16.7%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014