臨床経験
緊急手術により救命しえた急性肺血栓塞栓症
榊 健司朗
1
,
贄 正基
,
笹原 聡豊
,
中島 光貴
,
小原 邦義
,
宮地 鑑
1海老名総合病院 心臓血管外科
キーワード:
血栓塞栓症
,
糖尿病
,
肺塞栓症
,
血栓除去術
,
緊急手術
,
胸骨切開術
,
胸部CT
Keyword:
Diabetes Mellitus
,
Pulmonary Embolism
,
Thromboembolism
,
Thrombectomy
,
Sternotomy
pp.197-200
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016152986
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1は49歳男性で、呼吸苦を主訴に、他院のCT検査にて肺血栓塞栓症と診断され、当院救急搬送となった。症例2は52歳男性で、意識障害、呼吸困難を主訴に当院を来院した。いずれの症例も糖尿病、肥満の既往を有し、重篤な酸素化異常を認めた。造影CTで肺動脈本幹に血栓を認めたことから、急性肺動脈血栓塞栓症と診断し、緊急外科的血栓摘出術を施行した。症例1は術後の造影CTで深部静脈血栓を認めたため、下大静脈フィルターを留置し、抗凝固療法を行い、23日目に自宅退院となった。症例2は術後の造影CTで肺動脈末梢に少量の新規血栓を認めたものの、十分な抗凝固療法を行い、血糖コントロール目的で術後17日目に糖尿病内科へ転科した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016