発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010155770
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57歳女。腹痛を主訴とした。結腸癌による消化管穿孔・汎発性腹膜炎の診断でS状結腸切除と人工肛門造設術を施行し、術後CTにて右肺動脈内に血栓を認めたが、抗凝固薬により経過観察した。術後6ヵ月の胸部CTで右肺中葉と下葉に結腸癌からの転移を認め、分離換気・胸腔補助下に中葉切除と下葉部分切除を施行した。その際、通常よりも肺血管周囲を広範に剥離・露出して肺動脈内の器質化した血栓を可及的に摘除した。術後肺血流シンチグラムでは術前に認めなかったS6領域の血流を認めた。化学療法を施行後自宅退院し、1年経過して転移所見を認めず、呼吸に関する臨床症状もなく外来通院中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010