発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012213766
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対象は、内胸動脈が下肢動脈への側副血行路となっている閉塞性動脈硬化症を合併した虚血性心疾患7例で、冠状動脈バイパス術(CABG)と上行大動脈-両側大腿動脈バイパス術の同時手術を施行した。手術成績について検討した結果、手術時間は375±64分で、出血量は698±447mlであった。術前より貧血を認めた2例に他家輸血を行った。病院死亡は1例で、人工血管感染から縦隔炎を発症した症例であった。心拍動下(off-pump)CABG例の1例に一過性脳虚血発作を認めたが、後遺症を残すことなく独歩退院できた。術後グラフト開存率は100%、術後CTによる人工血管の開存率は100%で、全例で足関節上腕血圧比が術前より改善していた(平均追跡期間110±78ヵ月、最長18年9ヵ月)。CABGと上行大動脈-両側大腿動脈バイパス術の同時手術は、内胸動脈が側副血行路となっている閉塞性動脈硬化症を合併した虚血性心疾患に対して有用な手術手段と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011