発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011292653
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62歳男。大腸癌に対し回盲部切除術を施行し、術後化学療法を開始したが、4ヵ月後のCTで右肺に転移性肺腫瘍を指摘された。その後bevacizumabを含むレジメンに変更されたが、術後3年6ヵ月のCTで腫瘍による閉塞性肺炎合併を認め、化学療法継続困難となった。Bevacizumabを8週間休薬した後、開胸術を施行した。横隔膜上に強固な炎症性癒着があり、この剥離を胸腔鏡補助下で行い、右肺の下葉切除と上葉部分切除を施行した。肺実質切離部は4-0非吸収糸で連続縫合し、針穴からの肺瘻にはフィブリン糊を使用して気漏のないことを確認したが、術後徐々に気漏が増加し、肺の拡張が不十分で皮下気腫の出現・増大も認めた。胸腔内に死腔が存在することから胸腔内癒着治療では気漏の停止が見込めないと判断し、第6病日に再手術を施行した。肺縫縮を追加し、死腔への広背筋充填、胸膜テント作成を行って気漏を止めた。以後の経過は順調で、再手術後第11病日に独歩退院した。
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