発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015265087
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症例は60歳男性で、50歳時に心筋梗塞でステント留置術を受けた。両側の中手指節関節、近位指節関節、手関節の腫脹と疼痛を自覚し、関節リウマチ(RA)と診断され、サラゾスルファピリジンを内服し顔前した。乾性咳嗽を自覚し、RAで通院中の病院を受診し、胸部単純X線で右下肺野に浸潤影を指摘され、胸部CTで右肺に多発するconsolidationを認め、CRPが上昇し、肺炎と診断された。セフォチアムを点滴投与したが、マイコプラズマ抗体価(PA法)が80倍上昇したため、異型肺炎が疑われ、ミノサイクリンに変更し、CRPも下降していた入院16日目、患者都合で退院したが画像所見の改善はみられずガレノキサシン内服に変更し外来通院となった。咳嗽、呼吸困難の悪化があり、再入院となり、ドリペネム点滴を追加した。胸部CTで右上葉、左上葉にもスリガラス影が出現し、右下葉のconsolidation増悪がみられ、胸水貯留もあった。難治性肺炎と考えられた。抗核抗体40倍未満、リウマトイド因子1289倍、抗CCP抗体435.0U/mL、抗SS-A/Ro抗体(-)、抗SS-B/La抗体(-)、抗Scl-70抗体(-)、抗Jo-1抗体(-)、PR3-ANCA 1.0U/mL未満、MPO-ANCAU/mL未満、β-D-グルカン2.5pg/mL未満、マイコプラズマ抗体価320倍であった。気管支鏡内腔は左右とも発赤していた。胸部CTや経気管支肺生検の結果からマイコプラズマ肺炎を契機とした二次性の器質化肺炎と診断し、プレドニゾロンを投与し速やかに自覚症状は改善した。胸水は消退し、肺機能も改善した。
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