発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010332092
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8歳女児。生後1ヵ月時にWilliams症候群と診断され、今回、大動脈弁上狭窄に対する手術目的で入院となった。所見では胸骨右縁第3肋間に収縮期駆出性雑音が確認され、心臓カテーテルでは大動脈弁上で55mmHgの圧較差、右心系で肺動脈に軽度の圧較差が認められた。Doty法による大動脈弁上拡大術を施行したところ、術中のエコーにて送血管挿入部対側の大動脈壁に2cmの隆起がみられ、同部の内径は2.7mmと狭窄が認められた。そのため弓部分枝直前で大動脈を遮断し、送血管挿入部を切開した。以後、対側に動脈脈に血腫状の隆起が認められたが、明らかな内膜亀裂は確認されず、0.6mmのePTFEパッチを用いて狭窄を解除し、心拍再開後、術野エコーを行ったところ、狭窄部は6mmに広がり、圧較差も軽減した。尚、術後4ヵ月経過の心臓カテーテルでは圧較差の改善が確認された。
©Nankodo Co., Ltd., 2010