発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010250152
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症例は72歳女性で、30歳から約30年の喫煙歴があり、1年半前から易疲労性を自覚、10ヵ月前に帯状疱疹が出現した際の血液検査では血清Ca高値で、胸部CTで前縦隔に嚢胞性腫瘤を認めた。Intact PTHも高値で、前縦隔副甲状腺腺腫による副甲状腺機能亢進症(HPT)が疑われ外科入院となった。全身精査では明らかな異常はなく、前縦隔副甲状腺腺腫によるHPTを疑い手術施行となった。術中所見では無名静脈上に境界明瞭な腫瘤を認め、被膜を損傷しないように切除、術中組織診断で嚢胞性変化を伴う甲状腺腫と診断した。切除標本の病理組織学的所見では、嚢胞性変化を伴う褐色調病変で内部に隆起性病変を認め、悪性像は認めず副甲状腺腺腫所見であった。術後は速やかに血液検査所見が改善、術後10日目に退院となり10ヵ月経過の現在、再発は認めず経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010