発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014204299
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
70歳女。高Ca血症を主訴とした。血液検査で血中Caが11.5mg/dl、intact PTHが121pg/mlと高値であった。99mTc-MIBIで上縦隔に集積を認め、造影CTで同部位に1cm大の結節を認め、縦隔内異所性副甲状腺腫と診断した。全身麻酔導入後、メチレンブルー4mg/kgを1時間の速度で静脈内投与した。胸腔鏡下に縦隔脂肪組織の剥離を行うと、1cm大の一見嚢胞にみえる結節を認めた。同結節が徐々に青く濃染することを確認できたため、病変と容易に同定でき、同結節を切除し迅速病理診断に提出したところ、副甲状腺腫と診断された。また、近傍に5mm大の黒色の別の結節を認め、リンパ節を疑ったが、メチレンブルーによる腫瘍の濃染に似ていたため、念のため切除し同様に迅速病理診断へ提出したところ、リンパ節と診断された。術後病理診断は副甲状腺過形成であった。術翌日から血清Ca値は正常化し、青く濃染していた皮膚・尿も第2病日には消失した。経過良好で第4病日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014