発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009346685
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
17歳男性。患者は呼吸困難を主訴に、著者らの施設にある循環器内科にて拡張型心筋症と診断された。利尿薬、大量の強心薬投与を受けるも心不全症状が急激に進行したため、胸部心臓血管外科へ紹介となり、左室補助人工心臓(VAS)を使用する方針とした。麻酔導入後に行った経食道超音波検査では著明な心拡大と収縮不全が認められ、左室内のもやもやエコー、三尖弁逆流もみられた。更にVAS装着時に三尖弁逆流が著明となり、中心静脈圧の上昇を認めたため、三尖弁輪縫縮術を追加した。以後、肺血管抵抗の減少目的で一酸化窒素の吸入を行ったところ、循環動態は安定が得られ、VAS装着後3年目に心臓移植が施行された。
©Nankodo Co., Ltd., 2009