発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006269254
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先天性心疾患手術後に発生した難治性乳び胸2例にoctreotide acetate(O.A)を使用した.症例1:8ヵ月男児.心房中隔欠損の拡大術後11日目に乳び胸を発症した.絶飲食,中心静脈栄養で改善傾向は認められなかった.術後23日目にO.A0.2μg/kg/時を開始し,0.6μg/kg/時まで漸増した.O.A投与開始後18日にドレーン排液量が0ml/日となり,24日目に投与を中止した.症例2:5ヵ月男児.Blalock-Taussigシャント施行翌日に乳び胸を発症した.胸管結紮術により一時は改善したものの,再びドレーン排液量は増加傾向にあった.術後21日にO.Aを0.2μg/kg/時で開始した.0.4μg/kg/時点でドレーン排液量が0ml/日となり,O.A投与開始後7日に投与を中止した.2例とも,投与中に合併症はなかった.又,O.A中止後も経過は良好で,成長障害はみられない.乳び胸に対しては,発生後早期にoctreotide acetateを使用することにより,比較的短期間で完治が得られ,副作用の発症も少ないと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2006