発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009298951
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56歳女。18歳時にWolff-Parkinson-White症候群と診断され、その後2回の高周波カテーテルアブレーション(RF)治療を受けたが不成功であった。年数回の発作に対しverapamilおよびpilsicainideを頓服していたが、今回、発作が持続するため当院受診した。心臓電気生理検査を施行し、副伝導路(AP)の心室付着部位は右後壁から後中隔、心房付着部位は後側壁に存在すると診断した。通常のRF治療に上大静脈アプローチおよび冠状静脈洞内通電も加え、更に右心耳内での通電も行ったが不成功であった。心外膜側のAPと診断し、外科治療を行った。マッピングを行い、順行性および逆行性伝導を検索したところ、鋭角枝分岐の末梢に斜走行するAPが存在した。超音波メスで同部位の右冠状動脈本幹上で心外膜下に剥離をすすめると、Δ波が間欠的に消失し始め、その後出現しなくなった。Isoproterenol投与下のadenosine triphosphate disodium hydrate急速静注によりAP離断の確認を行った。術後8日に退院となり、術後3年の現在、無再発で生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009