発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011060408
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41歳男。胸部異常陰影を主訴とした。上縦隔腫瘍の診断で紹介受診となり、胸部造影MRIでは右胸膜頂部から尾側に突出し、2ヶ所にくびれをもつ類円形の占拠性病変(43×28mm)を認めた。診断と治療の目的で手術を行い、右腋窩切開第2肋間開胸で腫瘍摘出術を施行したところ、術中病理診断は神経鞘腫で、基部は第I胸神経が第8頸神経と合流する部分から分枝しており、術後病理所見はAntoni分類A型とB型の混在する腕神経叢由来の神経鞘腫の所見であった。本症例では、第3肋間開胸では胸郭入口部の良好な視野は得られないと判断して第2肋間で開胸したが、腫瘍は直視下に見え、深部の神経や血管は容易に確認できた。腋窩切開第2肋間開胸は創も目立たず、良好な視野が得られることから、同様な症例であれば推奨できるアプローチと思われた。
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