発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009298950
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63歳男。交通外傷を受傷し救急搬送された。来院時、JCS 200、脳挫傷、くも膜下出血、左の多発肋骨骨折による胸郭動揺、肺挫傷、血気胸を認め、直ちに挿管、胸腔ドレナージを開始した。その後、呼吸状態が悪化したためsivelestat sodium hydrate静注、低容量換気による調節呼吸を行い、肺炎を合併したため第4病日に気管切開を行った。胸部X線で両側びまん性浸潤影を認め、Pao2/Fio2値は69.4mmHgまで低下しており、心エコーで心原性肺水腫は否定的であったため、急性呼吸促迫症候群と診断して第6病日よりステロイドパルス療法を開始した。更に、第14病日から経鼻胃管による経腸栄養(Racol)を開始し、第20病日からは免疫賦活経腸栄養剤(Oxepa)へ変更した。その結果、低下していたPao2/Fio2値は徐々に上昇し、300mmHg近くまで改善した。第34病日に人工呼吸器から離脱し、胸部X線では両側びまん性浸潤影の消失を認めた。
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